5-7 勝手の力学的作用

勝手の力学的作用についても、X、Y、Z軸について、軸力とモーメント成分の合計6成分があることには変わりがありませんが、勝手が上腕と下腕が曲げられた形になっているので難しくなっています。従って手首の働き、下腕、上腕、肩の働きに分けて考えるのが理解しやすいと思います。
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5-6 懸けの使い方は箸つかいと兎の耳

懸け(弓懸け、弽、ユガケ)の使い方は箸の使い方と共通点があると思います。筈こぼれや矢口があいて困る場合には、箸の使い方が参考になります。筈こぼれは直ちに無効になってしまいますので、射て外れるよりもショックが大きく、2度とやりたくない筈です。
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5-5 取り懸けの方法について

取り懸けの方法に「直懸け」と「受け懸け」が在ります。直懸けは取り懸けのときに最初から矢筈のすぐ下で懸口を結ぶ方法です。受け懸けは矢筈の10cm位下の所で弦に直角になるように親指を懸け、それをすりあげて親指の帽子に触れない程度の位置で親指と中指を結ぶ方法です。
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5-4 懸けの指使い

懸け(弓懸け、弽、ユガケ)の指使いの基本は、離すべきでないときには確実に安全装置として働き、離れるべきときは躊躇無くフェザータッチのリリースができるように準備することと思います。弓懸けという字は弦を引っ懸けることから云われたものですが、親指の頭を中指の腹で合わせるだけで弦を懸けることができて簡単に離れるように出来ています。
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5-3 懸口の深い浅い

懸口の弦枕の位置について、深い浅いがあります。これは溝の深さのことではなく、親指の付け根の関節に溝があるもの(現代の懸けの殆ど)が深懸けであり、親指の指先の関節の近くに溝があるものを浅懸けと呼んでいますが現代では殆ど在りません。
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5-2 道具としての懸け

懸け(弓懸け、弽、ユガケ)には製作者(懸け師)によって相当な癖がありますので、自分に合うか否か注意が必要です。懸けの形は先ず親指の長さ、方向、曲がり、および弦枕の位置が親指の腹の中央にあるかがポイントです。次に袖の長さ、方向、指の太さ、なじみ具合などです。
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5-1 懸けの基本

昔の懸け(弓懸け、弽、ユガケ)は剣や槍を握れるように、グローブのようなもので、帽子も袖も柔らかい初心者用の懸け、あるいは小笠原流の諸懸けのようなものでした。
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4-5 吾加(五箇)の手の内

前回手の内の五癖について書きましたが、今日は竹林派の奥義から吾加(五箇)の手の内について、我流の解説をします。押手の手の内には5つの秘伝があり、単に5つ有るという意味と、我が力を加える合えるべきべきものとして「鵜の首」「鸞、卵(らん)中」「三毒」「骨法陸」「呼立り(ああたったり)」の5つがあります。
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4-4 押手の手の内

弓道の理想はいつも中庸であり、手の内には上下左右と中央の五品があります。
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4-3 弓手は天秤の支点と同じ

押手はちょうど天秤の支点のようなものと思います。洋弓では弓の薀蓄で述べたように、上下が対称であり、また矢が中心を通るように弓の幅を半分に切り込んでありますので、まさしく天秤の支点のように親指と人差指の股で線で支え、指を握らないようです。線で支えることで、微妙なバランスの狂いを感じ、調整するためと思います。
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小笠原流 流鏑馬

小笠原流 流鏑馬 | 小笠原流が各地の神社で奉仕する流鏑馬を網羅した写真集。各地それぞれの行事の特徴や装束が美しい写真で解説される。観覧者が通常見ることのない稽古の様子や小笠原流の歴史についても書かれており読み物としても興味深い。数百年の時を経て継承されてきた古流の現在を記録し後世に残すという意味で資料としての価値は高い。

小笠原流弓と礼のこころ

小笠原流弓と礼のこころ | 小笠原流宗家(弓馬術礼法小笠原教場三十一世小笠原清忠)著。一子相伝800年の小笠原流の歴史や稽古法などについては40年程前に先代宗家の著した書があるが、本書では加えて武家社会終焉以来の「家業を生業とせず」という家訓を守ること、そしてこの平成の世で礼法のみならず弓馬術の流儀を守ることへの矜恃が綴られる。

弓の道 正法流入門―武道としての弓道技術教本

弓の道 正法流入門―武道としての弓道技術教本 | のうあん先生こと正法流吉田能安先生の教えを門人達が記録した書籍。のうあん先生は古流出身ではないが、古流を深く研究した上で現代正面射法を極めた人といえる。射法についての解説はもちろんのこと、伝説の兜射貫きや裏芸といわれる管矢についての記述も読み応えがある。

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