5-3 懸口の深い浅い
懸口の弦枕の位置について、深い浅いがあります。これは溝の深さのことではなく、親指の付け根の関節に溝があるもの(現代の懸けの殆ど)が深懸けであり、親指の指先の関節の近くに溝があるものを浅懸けと呼んでいますが現代では殆ど在りません。
古書によれば、これは好みによっていずれでもかまいませんが、深懸けは堂射のように強い弓で矢数をかけるときに有利ですが、浅懸けは鋭く軽い離れが出やすい長所があると云われています。これは梃子の作用を考えると判り易く、浅懸けでは親指の先の方に弦が懸かっているため親指は弦に引かれて伸びおこされるので、弦の分離が鋭く離れの味が良くなるといわれています。
櫻井 孝 | 2001/09/03 月 00:00 | comments (0)
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