home >  弓道四方山話 > 巻の拾 「未来身の巻」

10-1 過去、現在、未来

「過去身、現在身、未来身」と云う難解な云葉について、我流の考えを述べてみましょう。この云葉は無論、会者定離の仏教語からきたものであり、いいかえれば輪廻の世界、生前の姿、現在の姿、あの世の姿と云うことでしょうか。
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10-2 弦音

良い弦音が出るためには、勘の良い弓、弓に合った弦、張りの高さなどにもよりますが、鋭く軽妙な離れが出るときに少し高めの澄んだ鋭い弦音がします。逆に弓の状態が悪い時、離れが悪いときには、割れた竹でたたいたような鈍い音がします。
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10-3 三病について

弓の病としては、早気、持たれ、緩みが三病と云われ、罹ると容易ではありません。
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10-4 五部の詰めと五緩

1.五部の詰め
会の詰め合いは五部の詰めが最良です。これは全身で詰めを行うので、総部の詰めと呼ばれ、詰め合いと同時に伸び合いをもって効かし、胸の中筋に楔を打ち込んで弾き割って両手両肩が同時に離れます。これが理想の離れ「四部の離れ」です。逆に云えば、四部の離れを出すために、五部の詰めを行うものとも云えます。
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10-5 六道に迷うもの

ここでの六道とは射法七道には関係なく仏教の地獄、極楽のことで、弓道の修行の迷いにはきりがないことが古書に書いてありました。
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10-6 射の改造

一寸まじめに射の改造を考えています。
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10-7 悪癖の治療の冷熱について

悪癖の治療は、何の基準、規矩から狂っているか、その根本原因を突き止めなければ、処方箋が出せないし、これを誤ると、指導される射手は悪癖がこじれてさらに難しくなり、かえってひどいスランプに陥ってしまいます。指導する人はその問題点の原因を的確に把握できなければ、指導すべきではありません。
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10-8 朝嵐、紅葉重ね、先枯れについて

これまで四方山話のなかで、判ったふりをしていろいろ書いてきましたが、今一つ正直言ってよくは理解できていない言葉に「朝嵐」「紅葉重ね」「先枯れ」がありました。一寸勉強しましたので、例によって珍説を述べましょう。
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10-9 朝嵐、晴嵐の嵐とは、すさまじきとは

朝嵐、晴嵐の嵐を激しい強風と解釈すると、意味が通じません。 また涼しきと書いてすさまじきというのはどういう意味でしょうか。
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10-10 わがままなる弓道

現代の弓道では標準の射法、射形、作法を追求することから、一つの理想を追い求める傾向があるように思われますが、竹林流の教えでは三重十文字とか五重十文字など、曲尺、規矩など基本的な標準はありますが画一的な理想の射法はありません。その点では多様性を認める射法であります。
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