home >  弓道四方山話 > 巻の四 「父の巻」

4-3 弓手は天秤の支点と同じ

押手はちょうど天秤の支点のようなものと思います。洋弓では弓の薀蓄で述べたように、上下が対称であり、また矢が中心を通るように弓の幅を半分に切り込んでありますので、まさしく天秤の支点のように親指と人差指の股で線で支え、指を握らないようです。線で支えることで、微妙なバランスの狂いを感じ、調整するためと思います。

和弓では前回書いたように、上下、左右の偏心モーメントがあるので、しっかり握り、角見で絞り込む押し方が必要であるが、天秤には変わりないので、やはり指の股で線的に支えること、握りの形を小さくしてコンパクトにすることが肝心です。手のひらの下側を直角にし、親指の付け根を下げ、中指に密着させ、親指を反らせる、中指、人差指、小指の指先を詰めて揃える(爪揃え)のが良いでしょう。

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