5-22 妻手にも脈所がある

「脈所」という言葉は、医者が手首の脈を診て病気を見抜くことから、物事の肝心なポイントを掴むことと思います。弓道では「剛弱所(ごうじゃくどころ)」という言葉があり、弓手(剛)の働きのポイントは手首の脈所の微妙な効かせ方にあると云われています。本来ならば「剛脈所」と云うべきですが、伝書に「押手を上(下)に過ぎれば上(下)に弱り、前(後)に過ぎれば前(後)に弱る」と言う言葉があり、語呂合わせから「剛弱」と呼ばれたと思われます。
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7-28 「引き分け」という言葉の意味

射法八節の「引き分け」という言葉は、大三から会に至る弦道において「左右均等に引き分けよ」という意味であることは誰もが頭の中では知っています。
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7-27 遠的射法について

多くの初心者にとって遠的競技は一寸難しいなと感じていると思います。それは殆どの方(私も)が普段近的練習ばかりで、遠的なんて年に1、2回しか行わないので、慣れていないことがあげられますが、遠的の射法というか注意点、要領を理解することが大事と思います。
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8-19 着己着界に入る

「着己着界」(ちゃこちゃっかい)という難解な言葉が「中学集」という伝書の最後にあります。これは題目だけで解説されていませんので、例によって独断と偏見と想像をたくましくして書いてみたいと思います。
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9-13 弓道の無常

すでに重複して書いていますが、弓道ではなかなか思うようにならないことが多いです。
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12-19 日本弓道と宗教について

欧米の弓道家は、日本弓道を学ぶのに精神的、仏教的、とくに禅的なものを求める人が多いと、アメリカ人の友人に聞きました。合理的なスポーツを求めるならば、アーチェリーで足りるはずです。あえて日本弓道を選ぶのは、オイゲンヘリゲルの「弓と禅」の影響が強いのではないかと思います。
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6-18 打ち起し以降における円相の継続

弓構えにおける円相の構えについては誰もが知っていますが、「打ち起し以降における円相はどうなっていますか」というのが今回のお話です。
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小笠原流弓と礼のこころ


小笠原流弓と礼のこころ

小笠原流弓と礼のこころ

春秋社
小笠原流宗家(弓馬術礼法小笠原教場三十一世小笠原清忠)著。一子相伝800年の小笠原流の歴史や稽古法などについては40年程前に先代宗家の著した書があるが、本書では加えて武家社会終焉以来の「家業を生業とせず」という家訓を守ること、そしてこの平成の世で礼法のみならず弓馬術の流儀を守ることへの矜恃が綴られる。また「聞かざれば教うるな(質問がなければ教えるな)」という小笠原流の教授法は門人なら知らぬ者はないが、本書ではさらに「上達したければ教えるな」という見識が語られる。教わる者の未熟な技を見せられると、逆に教える側の自分が知らぬ間にそれに染まってしまうのだという。これは潜在意識への悪影響なのだろう。確かに、教えても教えても上達しない者がいると、それは自分の教え方が悪いのではとこちらが逆に反省してしまうことがある。このネガティブな心理状態が自分の上達をも阻害してしまうという心理療法家の知見を目にしたことがある。そして本書の読みどころはもう一つ、若先生(宗家嫡男)の手記である。青春真っ只中の青年が800年の歴史を背負っていこうとする苦悩と決意が読み取れる。実に爽やかである。

7-26 五重十文字より始めよ

射技の基本が五重十文字にあることは誰もが知っていますが、これを正しく理解して実行するは難しいものです。私も悪癖からの脱却の道標として常に意識したいと考えています。今回はこれまでのものから五重十文字をキーワードとして編集してみます。
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7-25 弓射における三つの平面

弓射の基本が簡単そうでなかなか難しいのは、三つの平面が立体的に組み合わさっているためと思われます。
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小笠原流 流鏑馬

小笠原流 流鏑馬 | 小笠原流が各地の神社で奉仕する流鏑馬を網羅した写真集。各地それぞれの行事の特徴や装束が美しい写真で解説される。観覧者が通常見ることのない稽古の様子や小笠原流の歴史についても書かれており読み物としても興味深い。数百年の時を経て継承されてきた古流の現在を記録し後世に残すという意味で資料としての価値は高い。

小笠原流弓と礼のこころ

小笠原流弓と礼のこころ | 小笠原流宗家(弓馬術礼法小笠原教場三十一世小笠原清忠)著。一子相伝800年の小笠原流の歴史や稽古法などについては40年程前に先代宗家の著した書があるが、本書では加えて武家社会終焉以来の「家業を生業とせず」という家訓を守ること、そしてこの平成の世で礼法のみならず弓馬術の流儀を守ることへの矜恃が綴られる。

弓の道 正法流入門―武道としての弓道技術教本

弓の道 正法流入門―武道としての弓道技術教本 | のうあん先生こと正法流吉田能安先生の教えを門人達が記録した書籍。のうあん先生は古流出身ではないが、古流を深く研究した上で現代正面射法を極めた人といえる。射法についての解説はもちろんのこと、伝説の兜射貫きや裏芸といわれる管矢についての記述も読み応えがある。

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