小笠原流歩射でも斜面射法がある
小笠原流は代々将軍家の弓馬術礼法師範であったため、大名か将軍の直臣である旗本や御家人にしか入門は許されませんでした。いわゆるお留め流です。つまり上級武士だけの流儀だったのです。騎乗が許されない下級武士は歩射しかできなくても支障はありませんが、上級武士だとそうはいきません。現代弓道講座1巻で斎藤直芳氏は「私達が稽古を始めた大正の初めでさえ、小笠原射場で歩射だけしかできない射手を足軽弓といって軽蔑したものであった。」書いています。

▲2005年の愛知万博で蟇目の儀を執行する若先生(宗家嫡男小笠原清基)。右端太刀持ちは筆者。蟇目では天地を鎮めるために地面と空を射る仕草をする。写真は地を射るところ。斜面射法同様に弓構の位置から弓を押し開く。

▲2005年の愛知万博で蟇目の儀を執行する若先生(宗家嫡男小笠原清基)。右端太刀持ちは筆者。蟇目では天地を鎮めるために地面と空を射る仕草をする。写真は地を射るところ。斜面射法同様に弓構の位置から弓を押し開く。
峯 茂康 | 2007/01/14 日 14:11 | comments (0)
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