home >  弓道四方山話 > 巻の拾 「未来身の巻」

10-5 六道に迷うもの

ここでの六道とは射法七道には関係なく仏教の地獄、極楽のことで、弓道の修行の迷いにはきりがないことが古書に書いてありました。

上達の度合いに応じて、悩みが有ることを述べています。古書の解説とは別の我流の解釈で述べてみましょう。

1.地獄道の弓
射法がわからず、弓の強さに負ける弓を云う。体に合った弓を使い、基本を作ること。

2.餓鬼道の弓
体は強くなったのに、弱い弓を使い、上達しない弓を云う。楽しては上達はなく、強さ、鋭さを追求すべし。

3.畜生道の弓
無理にひきたがり、上手の人の真似をして、自分の射を見失うものを云う。自分の射を見出すこと。

4.阿修羅道の弓
骨法を知らず、無駄な力で力んで引く弓を云う。コツをつかむこと。

5.人道の弓
あまりにゆるゆると伸びかちに引きて、勢いが無くなる射を云う。これはある程度上級者の弓であり、難しいが真剣の切り口のような勢いを求めたいと思う。

6.天道の弓
美しく射ることのみをひたすら追求する弓を云う。最高の射は唯美しいのみではなく、強み、中り、安定性を兼ね備えるものであると云う。しかしこれは達人の域であり、美を追求することはそれだけで素晴らしいと思います。

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