home >  弓道四方山話 > 巻の四 「父の巻」

4-21 手の内について

手の内について「斜面と混同せず正面の良さを学ぼう(月刊弓道 2004年4月号)」を読んで一寸意見を述べます。自分はこれに議論を挑むつもりはありませんが、これを書いた方は最高位の達人であり、その手の内の写真から素晴らしい凄い射手であろうと推察いたします。だからこの写真を見るだけで非常に勉強になります。しかし、その論文は力学的な力の釣り合いから説明されていますが、自分とは違った見解になっていますので一寸意見を書きます。
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4-22 押手の捻りの過不足(及)

弓道の難しさは、「楽にして強く働かせる」とか、「肩や腕を突っ込まないで強く押す」などのように、一見反対に思えることを同時に行うことにあるように思います。
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4-23 角見を効かすとは

押手の角見をどうしたら効かせられるか、一生懸命に押しているが、効きません。私も同じ気持ちで長い間やってきました。
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4-24 締める押手としがむ押手

弓道を再開して6年目、弓道四方山話を書いてきて自分では弓道理論を判ったつもりでいましたが、押手の働きについてのこれまでの考えは間違いであったと考えています。
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4-25 押手の人差指の働き

押手手の内の整え方について弓道教本の図解には、「人差し指は曲げても伸ばしてもよいが指先を下に向けぬように」とあります。実際には人差し指を伸ばすもの、第2関節で緩く曲げるもの、あるいは第2、第3関節をしっかり曲げるものの3種類が用いられています。
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4-26 猿臂の射について

一般的な射法では弓手の肘は大三において真っ直ぐに伸ばし、右肘は折り曲げて、均等な力で引き分けて、弓手は直線的に伸ばしきったまま会に至ります。

しかし、竹林流では「猿臂の射」といって弓懐で作った円相の構えを崩さず、弓手の肘をやや撓ませたまま大三に打ち起こし、引き分け、会においても弓手の肘は伸ばしきるのではなく、やや受けて肘関節に豆粒ほどの余裕を残すのが掟であります。これは「ツク」といって弓手をつっかい棒のようにすることを嫌うためです。
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4-27 弓手の働きについて

1.「狙いは弓手にあり、的中は離れにあり」


少し記憶が曖昧ですが、古い弓術書の言葉です。これは言葉通りの意味ですが、「狙いは弓手に映るので、これを正確に定めなければ中るはずがない、しかし安定した的中は離れにあるので、緩みやブレのない自然(軽妙)な離れを身に付けなければならない」ということです。
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4-28 中四角の手の裏(内)について

1.中四角の手の裏


私は竹林流の「中四角の手の裏」と云うのは、中央で中押しとする基本の手の裏であり、教本などで云う「三隅の手の内」と殆ど同じと考えています。

手の裏を整える時、まず弓の外竹の左角に天文筋の上端(人差し指の付け根)と下端(小指の付け根)を当て、内竹の左角に龍(虎)の口(人差し指と親指で作る股)の右角(角見)を当て、親指の横腹を内竹(握り革)に馴れ付けて水平に伸ばし、掌の中央に窪みを付けるようにして、小指を親指の付け根に近づけて握り、次いで薬指、中指は小指に揃えるように親指との間に詰めて、柔らかく握り、人差し指は第三指(指先から三番目)をやや上に持ち上げるように張ります。
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