4-22 押手の捻りの過不足(及)
たとえば、押手の角見を効かせるには、押手の親指の付け根を働かせて、弓の握りに捻りを加えることです。しかし、このとき手首を捻り入れてしまうと、かえって効かない押し手となってしまうので、やや控えめにして離れの瞬間に働かせるほうが効く押し手となります。しかし、控えすぎてしまうと押せなくなり、これが押手の出入りの過不足(及)です。
また、押手の角身を効かせようとして強く握り過ぎると鈍い押手となり、緩すぎると滑って効かない手の内となります。これは握る力の過不足です。
弓の力は下のほうが強いので、やや押さえ込む働きが必要です。そこで上筋を働かせ過ぎると矢が失速してしまうし、逆に上筋を働かせなさ過ぎるとべた押しになり弓の下が跳ねて暴れてしまいます。この働かせ方にも過不足があり、過ぎたるものは及ばざるごとしです。
弓手には弓を右回転に伏せる、絞り込み(内回)の働きもあり、馬手の捻り(弦搦め:つるからめ)と対応して釣り合いますが、この絞込みにも過不足があります。
捻りが強すぎると弦が曲がるのと同じで矢が暴れ、捻りが不足すると締りのない離れとなります。
これには押手と馬手の絞込みを「半捻半搦(はんねんはんじゃく)」に心するのが良いと言われています。
すなわち、押して手の内は左右、上下いずれにも偏らず、親指と人差し指の又の中央にある虎口(ここう)を弓の中央に押し当てたまま、親指の付け根と小指、薬指の3本で働かせることです。
押しての手首の脈所は剛弱所と呼ばれ微妙なところです。上に押しすぎると下に弱り、前に押しすぎると後ろに弱る。ここを注意深く中央に押しかけるのを中央の手の内といいます。
この剛弱ところの働かせ方は、弓に直角となるのが、五重十文字の3番目であり、「弓と弓手手の内の十文字」の基準です。直角であることを陸(ろく)というので、この手の内を「骨法陸の手の内」ともいいます。
また、押手の角身を効かせようとして強く握り過ぎると鈍い押手となり、緩すぎると滑って効かない手の内となります。これは握る力の過不足です。
弓の力は下のほうが強いので、やや押さえ込む働きが必要です。そこで上筋を働かせ過ぎると矢が失速してしまうし、逆に上筋を働かせなさ過ぎるとべた押しになり弓の下が跳ねて暴れてしまいます。この働かせ方にも過不足があり、過ぎたるものは及ばざるごとしです。
弓手には弓を右回転に伏せる、絞り込み(内回)の働きもあり、馬手の捻り(弦搦め:つるからめ)と対応して釣り合いますが、この絞込みにも過不足があります。
捻りが強すぎると弦が曲がるのと同じで矢が暴れ、捻りが不足すると締りのない離れとなります。
これには押手と馬手の絞込みを「半捻半搦(はんねんはんじゃく)」に心するのが良いと言われています。
注)
伝書の記述では「半捻半搦」とはもっぱら馬手の絞込みの味を説明する言葉として使われており、弓手の捻りのことには触れていません。したがって半捻を弓手の捻りと捉えるのは、私の個人的な思い込みであるかも知れません。しかし、馬手の捻り込みと弓手の絞込みは明らかに捻りの作用・反作用として釣り合うのは、力学的にも正しい原理です。したがって、「半捻」を弓手の捻りと解釈としても、あながち間違いとは言い切れないと考えています。
すなわち、押して手の内は左右、上下いずれにも偏らず、親指と人差し指の又の中央にある虎口(ここう)を弓の中央に押し当てたまま、親指の付け根と小指、薬指の3本で働かせることです。
押しての手首の脈所は剛弱所と呼ばれ微妙なところです。上に押しすぎると下に弱り、前に押しすぎると後ろに弱る。ここを注意深く中央に押しかけるのを中央の手の内といいます。
この剛弱ところの働かせ方は、弓に直角となるのが、五重十文字の3番目であり、「弓と弓手手の内の十文字」の基準です。直角であることを陸(ろく)というので、この手の内を「骨法陸の手の内」ともいいます。
櫻井 孝 | 2004/05/21 金 00:00 | comments (0)
| -
コメント