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小笠原流弓と礼のこころ


小笠原流弓と礼のこころ

小笠原流弓と礼のこころ

春秋社
小笠原流宗家(弓馬術礼法小笠原教場三十一世小笠原清忠)著。一子相伝800年の小笠原流の歴史や稽古法などについては40年程前に先代宗家の著した書があるが、本書では加えて武家社会終焉以来の「家業を生業とせず」という家訓を守ること、そしてこの平成の世で礼法のみならず弓馬術の流儀を守ることへの矜恃が綴られる。また「聞かざれば教うるな(質問がなければ教えるな)」という小笠原流の教授法は門人なら知らぬ者はないが、本書ではさらに「上達したければ教えるな」という見識が語られる。教わる者の未熟な技を見せられると、逆に教える側の自分が知らぬ間にそれに染まってしまうのだという。これは潜在意識への悪影響なのだろう。確かに、教えても教えても上達しない者がいると、それは自分の教え方が悪いのではとこちらが逆に反省してしまうことがある。このネガティブな心理状態が自分の上達をも阻害してしまうという心理療法家の知見を目にしたことがある。そして本書の読みどころはもう一つ、若先生(宗家嫡男)の手記である。青春真っ只中の青年が800年の歴史を背負っていこうとする苦悩と決意が読み取れる。実に爽やかである。

6-18 打ち起し以降における円相の継続

弓構えにおける円相の構えについては誰もが知っていますが、「打ち起し以降における円相はどうなっていますか」というのが今回のお話です。
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12-19 日本弓道と宗教について

欧米の弓道家は、日本弓道を学ぶのに精神的、仏教的、とくに禅的なものを求める人が多いと、アメリカ人の友人に聞きました。合理的なスポーツを求めるならば、アーチェリーで足りるはずです。あえて日本弓道を選ぶのは、オイゲンヘリゲルの「弓と禅」の影響が強いのではないかと思います。
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9-13 弓道の無常

すでに重複して書いていますが、弓道ではなかなか思うようにならないことが多いです。
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小笠原流 流鏑馬

小笠原流 流鏑馬 | 小笠原流が各地の神社で奉仕する流鏑馬を網羅した写真集。各地それぞれの行事の特徴や装束が美しい写真で解説される。観覧者が通常見ることのない稽古の様子や小笠原流の歴史についても書かれており読み物としても興味深い。数百年の時を経て継承されてきた古流の現在を記録し後世に残すという意味で資料としての価値は高い。

小笠原流弓と礼のこころ

小笠原流弓と礼のこころ | 小笠原流宗家(弓馬術礼法小笠原教場三十一世小笠原清忠)著。一子相伝800年の小笠原流の歴史や稽古法などについては40年程前に先代宗家の著した書があるが、本書では加えて武家社会終焉以来の「家業を生業とせず」という家訓を守ること、そしてこの平成の世で礼法のみならず弓馬術の流儀を守ることへの矜恃が綴られる。

弓の道 正法流入門―武道としての弓道技術教本

弓の道 正法流入門―武道としての弓道技術教本 | のうあん先生こと正法流吉田能安先生の教えを門人達が記録した書籍。のうあん先生は古流出身ではないが、古流を深く研究した上で現代正面射法を極めた人といえる。射法についての解説はもちろんのこと、伝説の兜射貫きや裏芸といわれる管矢についての記述も読み応えがある。

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