home >  弓道四方山話 > 巻の参 「修学の巻」

3-14 自分で理解すること

弓道の修行においては、自分で自分の射を理解してどの方向に進めるかを判断することが大切と思います。いつまでも先生に一から十まで教えてもらう態度では、結局自分の弓の考えが確立せず、自立できないのです。

射法訓の前文に、「弓道の修行は、動揺常なき心身を持って、押し引き自在の活力を有する弓箭(きゅうせん:弓矢)を使用し、静止不動の的を射貫くにあり。」と言うように、自己の考え、体をどう操るかが問題です。

ただし、初心者の段階では先生の言うことも聞かず勝手気ままに練習すると、悪い癖が身に付いてしまってどうにもならなくなってしまいます。したがって、初心者の間は自分の射法が決っていないので、先輩の指導を受けながら、自分の頭で考え自分の射がどうなっているかを理解しようとする心がポイントです。

これが進むと、自分は何をチェックして練習するかがわかってきます。弓道を長く続けるポイントは自分のチェックポイントを持っているかどうかに有ります。

そういう意味で、毎日先生に手取り、足取り教えてもらうより、時々教えてもらって、あとは自分で考えて見つけるほうが高いレベルに早く到達できるようになると思います。

コメント

この記事へのコメントはこちらのフォームから送信してください

小笠原流 流鏑馬

小笠原流 流鏑馬 | 小笠原流が各地の神社で奉仕する流鏑馬を網羅した写真集。各地それぞれの行事の特徴や装束が美しい写真で解説される。観覧者が通常見ることのない稽古の様子や小笠原流の歴史についても書かれており読み物としても興味深い。数百年の時を経て継承されてきた古流の現在を記録し後世に残すという意味で資料としての価値は高い。

小笠原流弓と礼のこころ

小笠原流弓と礼のこころ | 小笠原流宗家(弓馬術礼法小笠原教場三十一世小笠原清忠)著。一子相伝800年の小笠原流の歴史や稽古法などについては40年程前に先代宗家の著した書があるが、本書では加えて武家社会終焉以来の「家業を生業とせず」という家訓を守ること、そしてこの平成の世で礼法のみならず弓馬術の流儀を守ることへの矜恃が綴られる。

弓の道 正法流入門―武道としての弓道技術教本

弓の道 正法流入門―武道としての弓道技術教本 | のうあん先生こと正法流吉田能安先生の教えを門人達が記録した書籍。のうあん先生は古流出身ではないが、古流を深く研究した上で現代正面射法を極めた人といえる。射法についての解説はもちろんのこと、伝説の兜射貫きや裏芸といわれる管矢についての記述も読み応えがある。

記事カテゴリ
最近のコメント
著者プロフィール
過去の記事
others
東海弓道倶楽部