3-5 シャドウシューテイング
新人の方に、弓の練習方法として的前と巻藁練習しかないと思っていませんか。私はシャドウシューティング、あるいは影引き(どちらも私の造語です)が良いと思います。太陽を背に受けて影をチェックしながらのスイングをシャドウスイングと云い、鏡を見ながらのボクシングをシャドウボクシングと云うので、弓も真似てみるのがよいでしょう。
弓道の難しさは弓の強さによって、体が思うようにならず、弓道八節の図解のように引けず、力が入り、離れが思うようにならないことです。弓矢無しで素手で弓道八節をやれば、思うようにできるはずです。肩に力を入れることなく、あわてて早気になることなく、離れで緩むことなく、ちぎる離れでなく、一寸物足りないが自由にできる筈です。力がかからなければ、ライフルやボウガンのように引き金をひくような離れも、ロボットのような射もできます。
この練習方法のポイントは弓も矢もなくても、あたかもあるようなイメージで手の内を整え、打ち起こし、口割、ねらいを付けながら引き分け、会を保ち、詰めあい、伸びあいを行って離れを出すイメージを持つことが大切です。慣れてくれば、トイレの中でも、歩きながらでも、電車の中でも、周りに怪しまれないように注意さえすれば、いつでもどこでも自由にイメージトレーニングができます。
また弱いゴム弓や紐を引っ張って、離れの感じをつかむのも良い練習と思います。先日、M先生がバッグの中にゴム弓を入れ、引っ張っているのを見ました。先生にはなにも聞きませんでしたが、多分イメージトレーニングをされているのだろうと思いました。とくに初心者の皆さんにはお勧めの練習方法と思います。
櫻井 孝 | 2001/09/03 月 00:00 | comments (0)
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