home >  弓道四方山話 > 巻の九 「紫部の巻」

9-10 引き金の引き方と懸けほどき、爪はじき

今日は引き金の続きの話をしたいと思います。引き金をフェザータッチでそろりと引くためには、発射しない範囲で少し引き金を引く動きが必要になります。

写真ではシャッターを半押しとしてシャッターチャンスを覗います。ゴルフでは打つ前に、ワッグルという動作で打つ準備をします。

弓道では会の詰め合い、伸び合いで、懸けほどきという準備作業を行います。

これは会で懸けの指先をズルズルと緩めるのではなく、懸けを締めたまま、故浦上栄先生の言う、「キチキチキチキチ」と指が鳴って、パンと離れを誘う感じになります。

そして、パンと離れるのは、指はじき、あるいは爪はじき(つまはじき)と呼ばれ、すなわち指パッチンのなせる技です。また、「掛け金を外すは大指を弾くと心得よ」と同じです。

そうすれば、勝手の指は一度も開くことなく、一瞬の間に、会の指使いの形(兎の形)から、親指の内側に4本の指を握ったグーの形になって、抜く手を見せない鋭い離れが出るでしょう。

私のイメージでは、「チチチチチートン」のリズムです。

コメント

この記事へのコメントはこちらのフォームから送信してください

小笠原流 流鏑馬

小笠原流 流鏑馬 | 小笠原流が各地の神社で奉仕する流鏑馬を網羅した写真集。各地それぞれの行事の特徴や装束が美しい写真で解説される。観覧者が通常見ることのない稽古の様子や小笠原流の歴史についても書かれており読み物としても興味深い。数百年の時を経て継承されてきた古流の現在を記録し後世に残すという意味で資料としての価値は高い。

小笠原流弓と礼のこころ

小笠原流弓と礼のこころ | 小笠原流宗家(弓馬術礼法小笠原教場三十一世小笠原清忠)著。一子相伝800年の小笠原流の歴史や稽古法などについては40年程前に先代宗家の著した書があるが、本書では加えて武家社会終焉以来の「家業を生業とせず」という家訓を守ること、そしてこの平成の世で礼法のみならず弓馬術の流儀を守ることへの矜恃が綴られる。

弓の道 正法流入門―武道としての弓道技術教本

弓の道 正法流入門―武道としての弓道技術教本 | のうあん先生こと正法流吉田能安先生の教えを門人達が記録した書籍。のうあん先生は古流出身ではないが、古流を深く研究した上で現代正面射法を極めた人といえる。射法についての解説はもちろんのこと、伝説の兜射貫きや裏芸といわれる管矢についての記述も読み応えがある。

記事カテゴリ
最近のコメント
著者プロフィール
過去の記事
others
東海弓道倶楽部