home >  弓道四方山話 > 巻の八 「石火の巻」

8-12 すぐに引いて、すぐに離す

「すぐに引いて、すぐに離す射」を目指したいと思っています。

こう書くと「雑に引いて早気で離す」と誤解されそうですが、そうではなくて真っ直ぐに引いて、真っ直ぐに離し、矢を狙いどおり真っ直ぐに飛ばす射のことです。

これを直に(ちょくに)引いて、直に離すともいいます。 直とは真っ直ぐに、直角にという意味であり、昔の本では陸(りく、ろく)であるともいいます。骨法陸とは関節が真っ直ぐに嵌っていること、あるいは手の内が弓に直角に当たっていることを云います.

正直というのも同じことで、正直者のことではなくて、正しく真っ直ぐになっていることを言います。 狙いが正直でないというのは、矢が前に飛ぶから狙いを後ろに付けて引くなど、矢が真っ直ぐでない場合をいいます。

というわけで、「すぐな射、直な射、骨法の射、正直な射」を目指したいと思います。

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