home >  弓道四方山話 > 巻の六 「掛け橋の巻」

6-15 妻手肘の張り

大三で妻手の肘がきちっと張れている形は筋が通っていて美しいと思います。しかし、これを大三で行なうのは以外に難しく、既に遅過ぎると思います。

弓道の各流派はいろいろありますが、それらは大三で押手の手の内と妻手の張りを如何にスムースに作るかと言う点に特徴があり、大三以降は殆ど同じと言えます。

その点、正面打ち起しは大三に移る受け渡しに難点があるが、両肩の線(三重十文字)が崩れにくい長所があるので、この点を上手く行なうのが肝心であると思います。

四方山話の中で、同じことを述べてきましたが、妻手の肘は大三で張るのではなく、弓構えで円相に構えるときに、この意識を持って行なうことが肝心です。すなわち、会の肘の張り具合をそのまま戻した所が、円相の弓構えになっていることと、逆にこの円相の意識を変化させることなく受け渡し、引き分けできれば、イメージしたとおりの大三、会の射形が定まるはずです。

そしてこのときの通る道筋が弦道です。いつも同じ道を通るように引き分けることができるのは、左右の釣り合いが取れて、無理、無駄の無い、自分の骨法に合った弦道があります。この道を通る時、十分引いて丁度良いぴったりの矢束となるはずです。

要するに、弓構えの時の円相の構えと肘の使い方がポイントであると思います。

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