home >  弓道四方山話 > 巻の六 「掛け橋の巻」

6-16 大三について

大三という言葉は、押し大目引き三分一といい、「押すことは大事な眼目なり、引くことは、己が引くべき矢束の三分の一なるべし」と言う言葉を省略したものです。

日本弓道の全ての流派の射法はこの大三を如何に自然に、確実にするかにありますが、結局大三の位置、形はほぼ一致しており、それ以降も全て一致しています。

したがって、大三をどうするか、大三に至る過程をどうするかが最も大切なところであり、それ以降のところは、ただレールに沿って行き着く所です。逆に云えば、会からレールに沿って大三まで戻した形を反復して覚えこませると自然に形が決ってくるような感じがします。

大三、即ち三分の二弦を押し、三分の一弓を引くについては、力の配分のことか、引く矢束のことかいろいろ解釈があって何が正しいとは断定できませんが、自分は力の配分の気持ちをあらわすものと解釈しています。これらについては以前に書きました。

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