home >  弓道四方山話 > 巻の六 「掛け橋の巻」

6-13  大三までのはなし

弓道の射法の流派はいろいろありますが、大きく見れば違いの殆どは大三までの話であり、大三以降は殆ど変わらないと思いませんか。

また、射の難しさは大三以降にあり、大三まではコントロールしやすいような気がしませんか。

しかし、ここのところをどうするかが大問題であり、理想的な大三を単純にかつ確実に作る方法として流派がうまれたものと解釈することもできます。

初心者の射をみると、とくに打ち起しから大三に移る受け渡しが、上手くない場合が多く見られるような気がします。

適正な取りかけ、手の内を作ることはそれほど難しいことではなく、つぎに正しい打ち起しを行うのも難しくはなさそうです。したがって、びしっと決る受け渡しができれば、正しい大三が得られることになります。ここで押手の入れ具合(回転)とロックがたいせつであり、勝手は送り込まずむしろ引き分けるイメージで張りを持たせることが肝心でしょう。

この点では日置流(印西派)の射法は極めて厳格であり、極端なまで、単純かつ確実な射法を定めているように思われます。したがって正面打ち起しの人も勉強のため、日置流の射法を勉強することは、ためになると思われます。

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