home >  弓道四方山話 > 巻の弐 「地の巻」

2-18 弓の薀蓄(その3)

私は「2−1 弓の薀蓄」において「弓は3の字状に湾曲して」と書きましたが、実は5連アーチの組み合わせであり、上端のアーチは姫反り、下端のアーチは小反りと呼ばれ、逆に反り返って重要な働きがあります。
この姫反り、小反りの第一の働きは、弓を引き絞ったときに弦輪が弓弭から抜けないようにするためであり、極端に少ないと危険です。

第二に、両端に逆反りを持たせることによって、上下の片持ち部先端の剛性が増して、離れにおいて安定して鋭く返る効果があります。釣竿のように先端を細くしすぎると、先調子となって不安定となります。

しかし、逆に単純に両端を太くしたのでは安定性はありますが鈍くなってバランスが悪くなるので、関板に剛性を持たせ弓の上下に逆反りのプレストレスを加えて中調子とすれば、安定性と敏感性のバランスがとれるものです。これは弦楽器の柄の構造とも類似しています。


第三に、この上下の反りが適正に調和するとき、上下の成りが揃い、末弭の関板と弦が平行になり、良い弦音が出るものであり、張り顔の良い弓と云われます。

弓の上下の成りを揃えて、弦の張りの高さを14cm程度に調整するとき、関板と弦が開いているのは姫反りの不足であり、弦音もなく鈍くて冴えのない弓となります。

逆に関板に弦が接触してしまうものは、姫反りが大きすぎるか小反りの不足であり、バシャンという割れた竹のような弦音となり、暴れやすく矢色が出て、ひっくり返りやすい弓となります。

程度が軽ければ、弓を踏んで調整することができます。ただし足で踏むのではなく、手で押さえて上下の成りと左右の出入りと関板の離れ具合を慎重に調整するものです。狂いが大きい場合には、弓師に出して火入れ、あるいは村取り調整する必要があります。

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