home >  弓道四方山話 > 巻の四 「父の巻」

4-1 押し手と勝手

右手、左手のことを弓道用語ではいろいろな名前で呼んでいます。私の知っている呼び方をあげます。

左手:押手、弓手、父、剛、烏、陽、日

右手:勝手、馬手、妻手、母、兎、陰、月

いろいろの呼び方があって難しいですね、だれか他の呼び方を知っていたら教えてください。

ここで押手のことを父、あるいは剛と呼び、勝手のことを母、あるいは搦(じゃく:からめる)と呼ぶのは、押し3分の2、引き3分の1と対応した呼び方であろうと思います。

しかし、力は均等でないと釣り合いません。これは右利きの人が大部分であることと、運動の距離が違うために、そのような気持ちでやれということでしょう。押手を烏に喩えるのは、上押しをかけた時の大三の形が烏の頭の形に似ていること、勝手を兎に喩えたのは、会の勝手の形が兎の丸い形と似ていることを喩えたものと思います。

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