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3-19 スローモーション弓道のすすめ

離れ口をどうしようと考える時、実際の行射のなかでは、自分がこうしようと思っていてもなかなか思うようになりません。指パッチンで握りこむグーの離れ、勝手と瞬時に反応する鸚鵡の離れ、露がぽとりと落ちるような雨露利の離れなどです。

しかし、イメージトレーニングならば、思うようにできるはずです。私はこれをスローモーションでリプレイするのが癖になっています。鏡やガラスに映ったときついつい離れのスローモーションをやっています。また電車の中や歩いている時は大きくやると「変な奴」と怪しまれますので、人に気付かれないように、指先だけでこっそりとやるのが習慣となっています。

それでもあるとき、「貴方はいつも指先に力が入っているような変な癖が有りますね」と友達に言われて、恥ずかしく思ったものでした。

弓矢をもって行なうとき、会をじっくり持って、詰めあって伸びあって、離れをこうしようと思って行なっていても、いつのまにか頭の中は真っ白になって元の木阿弥となってしまいます。

ところが、弓矢無しの素手で弓を引くイメージでは思うようにできるのです。さらにスローモーションのイメージとすれば、理想の離れの一瞬をイメージすることができます。

両肘と両肩の働きを効かしながら、両手の親指を効かして、両肩、両拳の4箇所を同時にスルッと抜いてやるのです。このとき両手の指先は少しも開くことなくそのまま握りこんで行くことができます。

これを弓矢を持って行なうときに、できるように習慣付けることができれば成功です。

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