home >  弓道四方山話 > 巻の参 「修学の巻」

3-3 息合い

昔は息合いといえば、行射における息合いのことでしたが、現在では体配の動作すべてに息合いが要求されています。私も体配の息合いについて習得したいと思っていますが、リズムが早すぎて、なかなかついて行けません。とにかく下手です。

行射の息合いについては、十人十色でいろいろの考えがあります。

1)体配と同様に、一動作一息で行う考えもありますが、絶えず腹がペコペコする嫌いがあります。

2)吸う息が力を出せるとする考えがありますが、力が上ずり易いです。

3)吐く息が丹田に力を落とせるとする考えがありますが、苦しくなりそうです。

4)私は打ち起こしで腹式呼吸法により腹8分目くらい吸い、大三で力を少し下に落として、あとは離れまで息を止めるようにしています。打ち起しで吸わないと後が苦しくなり、大三で吸うと力が上の方に来てしまいがちになります。

5)深呼吸や胸式呼吸法では力はでますが、力が上ずってしまいます。

6)腹式呼吸法では力を丹田に集中させることができます。また呼吸を止めてもせいぜい20秒くらいですから、十分耐えられます。

7)昔の伝書でも、海女が長時間息を詰めて潜水するのを見て、「静かに長い息を使え」と教えています。私の息合いも静かで長い息の部類であり、打ち起しから離れまでを一動作と見なせば、一呼吸法でもおかしくないと思います。

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