home >  弓道四方山話 > 巻の壱 「天の巻」

1-18 ねんねん小坊主とは

1-15に「円相の構えは幼子を抱くように」ということを書きましたが、その続きに「ねんねん小坊主、ねんねこぼうし」の言い伝えがあります。

会の抱えは円相の構えであり、可愛いい幼子を抱くように、大切に抱えなければいけない。強く抱えすぎると、幼子は起きて泣いてしまうし、弱すぎると落としてしまう恐れがあるので、程よい加減に抱くのが良い。

会において矢束も定まり、十文字整い、狙いが付いてくると、詰め合い伸び合いが不十分でも、「よし放せ」と当て気がでて、動揺し、乱れてしまうことがあります。

まさに「弓道は動揺つねなき心身でもって行なうわざ」であるので、ここですぐに泣いてぐずる子を「ねんねん小坊主」とあやしつけるように、自分の心を納めて穏やかな離れの味をいうものです。 自分もこのような心境になりたいと思いますが、なかなかです。

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