home >  弓道四方山話 > 巻の七 「十文字の巻」

7-18 前肩さがり、後肩あがりを矯正する

自分の射は、前肩さがり、後肩上がりの癖があり、これを直そうと思っていますが、これが頑固でなかなか直らないのです。この四方山話にもそのことは何度も書いています。「彫像の粘土細工」の話も「押し引きの対称性」のことも、それを意識したものであり、小林先生の「竹林射法七道」では、このことがこれでもかとくどいほど書かれています。

私は中学1年で弓道をはじめましたが、高校1年(15歳)ではもう前肩下がりで前に懸かる癖がありました。43年経過していますので相当にしつっこいカビが生えています。カビキラーくらいでは退治できません。

合宿でのテーマも、納射会、初射会のテーマもこれですが、後肩を抑えるととんでもなく矢が暴れてしまいます。この点で固まった肩を直すのは難しいと言えます。

千葉県の初射会でもとんでもなく高いところにすっ飛んで行き、もう少しで幕に当たるところでした。後肩上がりを水平にしようとすると、相対的には退胴(のきどう)のようになるので、妻手が強くなり下に切れ、押手上がりに切れる傾向が出て上に飛ぶということが判ります。

頭では判っても、体がついてこない、むしろ反射神経が昔を思い出させるのです。

しかし、今年こそはこれを克服して平らに釣り合う射形に矯正します。後肩で担ぐ弓は楽をしようとして逃げた射です。

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