home >  弓道四方山話 > 巻の七 「十文字の巻」

7-7 懸け金

私は会における懸け口はツールボックスの懸け金、あるいは自転車のスタンドに似ていると思っています。すなわち右肘は右肩を梃子にして、懸け口を絞り込んで、詰め合いをするのが骨法であり、ここをカチッとロックするのがツールボックスの懸け金のように思えるからです。

たまたま弓道リンクの弓道場と云うのを見て居ましたら、弓道教歌が非常に多数のっていまして、その中に懸け口を戸の懸け金に喩えた歌が多数ありました。昔の人の懸け金はツールボックスではなく、引き戸の懸け金なので、一寸構造は違いますが、ほぼ同じような考えと思います。日置流、吉田流、竹林流、小笠原流にありますが、ここでは小笠原流の教歌を引用します。

「懸けがねをはづすは弦を解くこと大指はじく心得ぞよき」

「離れ口そろはぬ者は懸けがねのかけよう知らぬ射手と云うべし」

今の私は前回書いているように、この懸け金を外すときに一瞬の緩みがあるので、緩ませずパチンとはじく心得でやりたいと思います。

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