home >  弓道四方山話 > 巻の七 「十文字の巻」

7-5 会の形(その5)

会の形は45度の中庸に対して、縦引きと横引きに大別されます。縦引きは肘が45 度よりも縦に入る引き方であす。これは肘が決まりにくいですが、離れは出やすいです。勝手を大きく引いて、腕相撲のように肘が立っているのを手繰りと云い、どこまでも引けるので、苦しく荒い離れとなり、ひどくなると緩む原因となります。

横引きは肘が45度よりも横に入る引き方であり平付けとも呼ばれます。これは肘が後ろに回り易いですが、口割りが低くなり、肘がつぶれるので、離れが出にくくなります。これらは大三の位置、および引き分けの弦道の結果であり、会ではなんともなりません。この大三の位置には中庸の他、高低、遠近の癖があります。大三が高くて近い場合には縦引きに成りやすく、低くて遠い場合には横引きになりやすいです。まれに、懸け口の付き方によっても、癖が付く場合もあるので、購入の際に注意が必要です。

コメント

会の形その5について
私は、腕が長く体も細いので、会の安定・離れで壊さないことに大変苦労しました。結果、最近では大三を高く近くとること・平付けのまま横に大きく引き抜き引き分け中盤から、両肩をしっかり巻き込むことをやって、しっかりと詰め合った会を作るようにしています。そうすると、水平に鋭い離れがでますが、引き抜く方向を誤ると矢所が水平にばらつきます。
それと、手の内や、勝手の形も確かに大切ですが、先生方はもっと肩の詰め合いについてしっかり教えるべきではないかと、日頃考えます。
関谷法子 | 2009/06/29 16:28

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