home >  弓道四方山話 > 巻の七 「十文字の巻」

7-4 会の形(その4)

会の形で物見(頭持ち)は重要です。真っ直ぐに向けた物見の形は唯美しいだけでなく、押し手が効き、三重十文字も決まります。

しかし、結構苦しいのでなかなか出来ません。丁度タイガーウッズのバックスイングのようです。古の書には、的のほうから名前を呼ばれて顔を向けるときのように自然が良いとありますが、それでは一寸足りないような気がします。私の場合は亀の首のように前に出るのが欠点ですが、自分ではよく判りません。物見も胴と同じように、中庸に対して、前後左右の4つの癖があります。

俯く物見(的に傾く)は矢が下に、上向く物見(妻手側に傾く)は矢が上に飛ぶ傾向があります。

伏す物見(覗く、浅い)は矢が前に、照る物見(反る)は後ろに飛ぶ傾向があります。

正しい物見は前後、左右とも真っ直ぐで、首筋、頭持ちが天をつき、矢は真っ直ぐ飛ぶ筈です。

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