home >  弓道四方山話 > 巻の七 「十文字の巻」

7-3 会の形(その3)

上から見たとき両肩は矢筋と平行ですが、横から見て十文字が前後左右に偏る癖があります。

1.かかる胴、突っ込む形:方位は東

押し手を強くする意識から的のほうへ体が突っ込む形であり、縦軸が的がわに傾き、矢は後ろ下に飛ぶ傾向があります。

2.退く胴、引っ張る形:方位は西
反対に引く意識から、妻手側に体が傾く形です。この場合には、矢は前上に飛ぶ傾向があります。

3.伏す胴、つま先体重:方位は南
弓の中に胸を割り込もうとの意識から前傾し、これ以上前傾できない形。矢は前下に飛ぶ傾向があります。

4.照る胴、踵体重:方位は北
腹から割り込もうとして、弓、体が反り過ぎてしまうもの。ひどくなければ、下腹部に力が集まり安定していますが、ここでは反り過ぎて踵体重の形。矢は後ろ上に飛ぶ傾向があります。

これらの癖は肩の出入りのように頑固ではありませんので、意識して注意すれば、直せます。当然ながら、正しい胴は十文字が正しく、方位は中です。矢は真っ直ぐに飛ぶはずです。

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