home >  弓道四方山話 > 巻の六 「掛け橋の巻」

6-9 弓手の肘の働き

弓手の肘の使い方については、伸ばしきって絞り込むのと、素直に真っ直ぐ推すもの、少し受けるような弾力を持たせたものの3種類くらいがあります。

これは好みの問題であり、自分が最もしっくりする方法を使うのが良いと思います。

竹林派には猿脾(えんび)の射と云う肱の使い方があります。これは上記の3番目のやり方であり、押手は強く構えますが、決して突っ張るのでなく、猿腕のように若干の余裕をもたせ、四部の離れの時これを伸ばすことで強い勢いがでるものです。しかし、受ける肱は若干の具合の違いで大きな差が出やすい欠点もあると思います。

伸ばしきって肱を絞り込む射は、螺旋の絞りのような押しもあり、いつも同じようにでき安定性が良いですが、左肩が棒押しになりやすいと思います。

自分には、素直に真っ直ぐ伸ばしただけの肱(受けない、絞り込まない)が、無理なくいつも安定して推せるので、一番合うように思っています。

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