home >  弓道四方山話 > 巻の六 「掛け橋の巻」

6-8 比人双について

竹林流の理想の射形に「比人双の位」と云う難解な云い伝えがあります。これは、一云で云えば、理想的な射形は対称形になっており、「比人双」と云う字はいずれも対称的な形になっていることから付けられたものです。
比は取り懸けから打ち起しの形であり、中心軸に完全対称でなく同じ側を向いているのは、弓構えで竹林は左に送って押し手と勝手が同じ方向を向くからでしょうか。

人は大三から引き分けに至るとき、人の字のように左右がもたれあって均等に引き分けるようにとの意味でしょう。双は引き分けから会に至るときの両肩、両腕(上腕)は対称であり、胸筋が開き、肩甲骨が詰まってきて離れに至ります。このように厳密な意味ではなく、概念的に対称の形を求めることで、釣り合いの取れた理想の射が得られるとの意味でしょう。これは本多流のホームページにも本多利実翁の解説があります。

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