4-15 上下開閉のこと
「上下開閉」と云う言葉は、竹林の伝書には「鵜の首」の手の内において、上は親指と人差し指の間を開き気味にして、下は小指を閉じて小さくする押手として説明されています。また、上を柔らかくして、下を強めに握るのは、卵を握るようにとか、鳥の雛を握るようにと云う卵中とも、あるいは親指、小指薬指で握る三毒とも共通しています。
ところが弓道小辞典に「手先上がり下がり」として、「押手の離れた後の形は上下開閉ともに目立つ程になるのはよろしくない。特に上がりと閉ずるは絶対に良くない。」とあり、「上下開閉」を残身での悪癖として書かれていました。
したがって、竹林では上下開閉は時の手の内(鵜の首)であり、理想の手の内の一つですが、ここでは残身での悪癖として説明されており、同じ言葉が逆の意味に使われていることになります。
したがって、竹林では上下開閉は時の手の内(鵜の首)であり、理想の手の内の一つですが、ここでは残身での悪癖として説明されており、同じ言葉が逆の意味に使われていることになります。
櫻井 孝 | 2004/03/26 金 00:00 | comments (0)
| -
コメント