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7-31 十文字射法について その1 〜縦横十文字のこと〜

和弓は長弓を使用し、全身で引き分ける十文字射法です。和弓以外(洋弓、中国、蒙古、朝鮮弓など)の射法は、いずれも短弓を用い左肩を軸に弦を顎まで引いて、眼で矢を直接照準する半身射法と云えます。
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7-32 十文字射法について その2 〜三重十文字のこと〜

「妻肩(めかた)と上肩(うわかた)を地縄に重ねよ」と云う教えがあります。地縄と云うのは建物を建てるときの測量に使う張糸であり、的から地縄のように真っ直ぐに引いた足踏みを云います。妻肩とは両腰骨のことで、上肩は両肩のことです。

つまり、「両腰の線と両肩の線を足踏みの線上に重ねる」ことであり、縦軸(重心軸)と合わせて三重十文字と云います。これは誰でも頭で理解できる極めて単純な基準ですが、弓の力がかかってくると弓に押され弦に戻され、それらに負けまいとして頑張ると体が歪んで十文字を保持するのが難しくなります。
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7-33 十文字射法について その3 〜五重十文字のこと〜

昔の弓道書に「七道(射法八節に相当)の曲尺のことは五重十文字より初めて万事の曲尺なり」との記述があります。また弓道教本では、基本体型に縦横十文字の規矩と五重十文字が定められており、「射の運行に伴ってつぎの五カ所の十文字を構成し、これが総合的に働くことを射の基本」として「それぞれほぼ直角に十字の形態をなしていなければならない」と記述しています。

この五つの十文字は似ているので紛らわしいのですが、射の運行に伴って確認していけば、極めて自然に覚えられます。
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小笠原流 流鏑馬

小笠原流 流鏑馬 | 小笠原流が各地の神社で奉仕する流鏑馬を網羅した写真集。各地それぞれの行事の特徴や装束が美しい写真で解説される。観覧者が通常見ることのない稽古の様子や小笠原流の歴史についても書かれており読み物としても興味深い。数百年の時を経て継承されてきた古流の現在を記録し後世に残すという意味で資料としての価値は高い。

小笠原流弓と礼のこころ

小笠原流弓と礼のこころ | 小笠原流宗家(弓馬術礼法小笠原教場三十一世小笠原清忠)著。一子相伝800年の小笠原流の歴史や稽古法などについては40年程前に先代宗家の著した書があるが、本書では加えて武家社会終焉以来の「家業を生業とせず」という家訓を守ること、そしてこの平成の世で礼法のみならず弓馬術の流儀を守ることへの矜恃が綴られる。

弓の道 正法流入門―武道としての弓道技術教本

弓の道 正法流入門―武道としての弓道技術教本 | のうあん先生こと正法流吉田能安先生の教えを門人達が記録した書籍。のうあん先生は古流出身ではないが、古流を深く研究した上で現代正面射法を極めた人といえる。射法についての解説はもちろんのこと、伝説の兜射貫きや裏芸といわれる管矢についての記述も読み応えがある。

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