home >  弓道四方山話 > 巻の四 「父の巻」

4-10 剛剛正直について

「剛剛正直」と云う口伝があります。例によって勝手な解釈をいたしましょう。 「正直」と云うのは正直者とか素直であることでは在りません、正しく真っ直ぐにやると云うことです。

正しくというのは五重十文字に従ってということと思います。また直にというのは、骨法に従って真っ直ぐに押し引きするということと思います。

5つの手の内の1つに「骨法陸」と云うのがありますが、これは弓に対して直角に当てる手の内であり、直といえます。

剛というのは押手を云いますが、もう1つの意味は強いと云う意味です。すなわち剛剛と重ねる時、押手はどこまでも強くということになります。

これは押手だけでなく、射全体に当てはめるときには、「唯伸びて、緩まざる」の射であり、「雨露利の射」のような待ちの射のことではないと思います。

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