home >  弓道四方山話 > 巻の四 「父の巻」

4-7 紅葉重ねについて

押手の手の内として、小指と中指を抑え小さくして薬指をその上に重ねるのを紅葉重ねと教わり、長い間そのように思っていました。でもこの形は押手が小さくなりますが、押さえが利かず自分には好ましくないものでした。
浦上先生の「型の完成に向かって」の中で、単に薬指を重ねるのを紅葉重ねと云うのは誤解であり、美しい手の内のことを紅葉重ねというようなことが書かれていました。

弓構えで押手を整える時には、親指、つぎに小指を近づけ、薬指を揃えると、中指の入る場所がなく薬指の下に潜り込み重なります。しかし、親指をねじ込んでゆくと隙間の無い爪揃いとなり、これが紅葉重ねであるようです。これは良く効く押手であり良く理解できます。

コメント

この記事へのコメントはこちらのフォームから送信してください

記事カテゴリ
最近のコメント
recommend
小笠原流 流鏑馬

小笠原流 流鏑馬 | 小笠原流が各地の神社で奉仕する流鏑馬を網羅した写真集。各地それぞれの行事の特徴や装束が美しい写真で解説される。観覧者が通常見ることのない稽古の様子や小笠原流の歴史についても書かれており読み物としても興味深い。数百年の時を経て継承されてきた古流の現在を記録し後世に残すという意味で資料としての価値は高い。

小笠原流弓と礼のこころ

小笠原流弓と礼のこころ | 小笠原流宗家(弓馬術礼法小笠原教場三十一世小笠原清忠)著。一子相伝800年の小笠原流の歴史や稽古法などについては40年程前に先代宗家の著した書があるが、本書では加えて武家社会終焉以来の「家業を生業とせず」という家訓を守ること、そしてこの平成の世で礼法のみならず弓馬術の流儀を守ることへの矜恃が綴られる。

弓の道 正法流入門―武道としての弓道技術教本

弓の道 正法流入門―武道としての弓道技術教本 | のうあん先生こと正法流吉田能安先生の教えを門人達が記録した書籍。のうあん先生は古流出身ではないが、古流を深く研究した上で現代正面射法を極めた人といえる。射法についての解説はもちろんのこと、伝説の兜射貫きや裏芸といわれる管矢についての記述も読み応えがある。

著者プロフィール
過去の記事
others
東海弓道倶楽部