home >  弓道四方山話 > 巻の参 「修学の巻」

3-24 鉄の心を学ぶ

「修学は水鉄の如し。刀をつくるには、まずは砂鉄を溶かして還元して銑鉄をつくる。銑鉄はさらに溶かして、還元され純鉄になる。

ここで純鉄を2つに分け、片方はそのまま据え置き、もう片方のみ熱しては熱いうちに叩いて鍛錬し、急冷して焼きを入れ、繰り返すことによって鋼(刃金)となり、やすりともなる。

刃金あるいはやすりでもって純鉄を削るとき、純鉄は容易に削られてなくなってしまう。刃金も純鉄も元は同じものであるが、鍛錬の差が削るものと削られるものとに分かれてしまうものである。

修学も同じことで、もとの骨格が弱であっても、正しく鍛錬すれば、弱き純鉄も強き刃金になるので、剛は弱を冷笑することなく、弱は剛をねたむことなく、あせらずに一段一段とじっくり修行することが肝心である。」

豊臣秀吉の時代の竹林坊如成、江戸時代初期の星の勘左衛門が現代と同じように、純鉄という言葉を使っているのは面白いと思います。

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