home >  弓道四方山話 > 巻の弐 「地の巻」

2-6 外れの誤差論

自分はどうして中らないのだろうと思う時、自分の射が理想的な射法に至らないためと勝手に解釈し、卑下していませんか。

それは確かにありますが、理想的な射でなくても、そこそこの中りは出るはずです。誤差論で考えれば、的の半幅(一尺二寸的の半径)は約180mmであり、 28m(的から眼までの距離)で割れば6mmとなります。つまり眼から1mのところにある半径6mmの的を狙っているのと同じことです。

さらに、弓から眼までの距離を0.5mとすれば、押手の位置で半径3mmの的になります。勝手の位置が正しい場合には、押手の誤差が3mmまでの範囲内であれば的中するはずであり、狙いをこの程度合わせるのは容易な事でしょう。

しかし実際にあたらないのは、勝手がこれ以上に動く場合と、弦が矢筋方向に戻らないことが考えられます。いずれにしても、会の状態で空間に浮かんでいる矢を、そのまま矢筋方向に真っ直ぐに飛ばしてやることがポイントでしょう。

そして弦の戻るみちは機械的にそろっと戻してやろうとすると、往々にして乱れるので、むしろレールを決めてフォロースルー(ゴルフのように)まで軌道を決めるのがかえって安定すると思われます。

要するに、外れるのは誤差論ではなく、離れで自分がブレたり、バランスを崩したりするため、曲がって飛んでしまうためであるといえます。

コメント

この記事へのコメントはこちらのフォームから送信してください

記事カテゴリ
最近のコメント
recommend
小笠原流 流鏑馬

小笠原流 流鏑馬 | 小笠原流が各地の神社で奉仕する流鏑馬を網羅した写真集。各地それぞれの行事の特徴や装束が美しい写真で解説される。観覧者が通常見ることのない稽古の様子や小笠原流の歴史についても書かれており読み物としても興味深い。数百年の時を経て継承されてきた古流の現在を記録し後世に残すという意味で資料としての価値は高い。

小笠原流弓と礼のこころ

小笠原流弓と礼のこころ | 小笠原流宗家(弓馬術礼法小笠原教場三十一世小笠原清忠)著。一子相伝800年の小笠原流の歴史や稽古法などについては40年程前に先代宗家の著した書があるが、本書では加えて武家社会終焉以来の「家業を生業とせず」という家訓を守ること、そしてこの平成の世で礼法のみならず弓馬術の流儀を守ることへの矜恃が綴られる。

弓の道 正法流入門―武道としての弓道技術教本

弓の道 正法流入門―武道としての弓道技術教本 | のうあん先生こと正法流吉田能安先生の教えを門人達が記録した書籍。のうあん先生は古流出身ではないが、古流を深く研究した上で現代正面射法を極めた人といえる。射法についての解説はもちろんのこと、伝説の兜射貫きや裏芸といわれる管矢についての記述も読み応えがある。

著者プロフィール
過去の記事
others
東海弓道倶楽部