2-6 外れの誤差論
それは確かにありますが、理想的な射でなくても、そこそこの中りは出るはずです。誤差論で考えれば、的の半幅(一尺二寸的の半径)は約180mmであり、 28m(的から眼までの距離)で割れば6mmとなります。つまり眼から1mのところにある半径6mmの的を狙っているのと同じことです。
さらに、弓から眼までの距離を0.5mとすれば、押手の位置で半径3mmの的になります。勝手の位置が正しい場合には、押手の誤差が3mmまでの範囲内であれば的中するはずであり、狙いをこの程度合わせるのは容易な事でしょう。
しかし実際にあたらないのは、勝手がこれ以上に動く場合と、弦が矢筋方向に戻らないことが考えられます。いずれにしても、会の状態で空間に浮かんでいる矢を、そのまま矢筋方向に真っ直ぐに飛ばしてやることがポイントでしょう。
そして弦の戻るみちは機械的にそろっと戻してやろうとすると、往々にして乱れるので、むしろレールを決めてフォロースルー(ゴルフのように)まで軌道を決めるのがかえって安定すると思われます。
要するに、外れるのは誤差論ではなく、離れで自分がブレたり、バランスを崩したりするため、曲がって飛んでしまうためであるといえます。
櫻井 孝 | 2001/09/03 月 00:00 | comments (0)
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