8-8 矢は右に飛ぶようになっている
日本の弓道では矢はとかく右に飛ぶように出来ています。そして、手を打ち、髪を払うようにできています。丁度ゴルフを始めるとスライスボールで右に飛ぶのとよく似ています。ここらの理屈が判ってきて、体で実行できるようになれば一人前です。今日はこれと密接に関係していますが、離れによっても矢が右に出ることを書いてみましょう。
初心者の人は殆どが右側で引く傾向が強く、離れも勝手離れとなります。離れを勢い良くぱっと離すとき、押手は止めたまま、勝手だけを右手背面に大きく離す傾向があります。これでは弓の偏芯に増して更に右に飛ぶことでしょう。
ある程度弓の練習をしてゆくと、道場にかかっている射法訓について、教えられます。ここで、「弓手3分の2弦を押し、馬手3分の1弓を引く」と在りますが、これは大三だけの話ではなく、離れのこともあると私は云いたいのです。
とかく、右利きの人は勝手が強くなりがちですので、左右均等に引き分けて、均等に離すためには、むしろ左を強くし、右を調整すると、丁度いいということになります。ゴルフでも同様に左手主導にしなさいと云われています。
この右に飛ばさない射法が角見のはたらきであり、テニスや卓球のドライブをかけるように、押手の親指の付け根を左回転のねじりを加えつつ、離れの瞬間にクイッとねじ込むのがコツです。また、矢乗り、狙いはいつも正しく付けることが肝心です。
追記:初心のうちはとかく矢が右に飛ぶので、あえて左手主導で角見を効かすようにとして記述しました。しかし、ある程度慣れてきてそれほど右には飛ばないようになってくれば、むしろ逆に押手は強く受けているが、大きく動かさないで左右均等にさっと別れる離れを出すように心がけたいものです。押手は手先で振り込まないで、止めたまま小さく鋭く伸びれば、矢は真っ直ぐに走ります。
櫻井 孝 | 2001/09/03 月 00:00 | comments (0)
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