手袋考10「節抜き諸ガケ 竹林風」
三河ガケの帽子形状を下敷きにして製作した節抜き諸ガケとは別の発想でもう一つ自作してみました。
これも「できるだけ素手で弦を執る感じに近い堅帽子ユガケ」というコンセプトは同じですが、今回は耐衝撃性硬質塩化ビニル管(HIVP=High Impact ビニルパイプ)を加熱成形して作った竹林風(ボラ頭)帽子をすげてあります。木帽子よりも薄く作れますから、角入に近いフィット感になると思います。
これも「できるだけ素手で弦を執る感じに近い堅帽子ユガケ」というコンセプトは同じですが、今回は耐衝撃性硬質塩化ビニル管(HIVP=High Impact ビニルパイプ)を加熱成形して作った竹林風(ボラ頭)帽子をすげてあります。木帽子よりも薄く作れますから、角入に近いフィット感になると思います。
素材として使用した管のサイズは25(内径25ミリ・外径32ミリ)です。まず数センチの適当な長さに切ったパイプの一端から半ばまで割りを入れ、ヒートガンで温めながらU字型につぶします。このときパイプも楕円になるようにかるくつぶしておきます。

平らに合わせた端部をHIVP専用の接着剤で溶着します。

全体を削り込んでおおよそ節抜き帽子の形状になったら、ヒートガンで親指腹に当たる部分を温めて柔らかくしておいて、右手親指に被せた状態で実際に弓を弩きます。



こうすると素手で弦を執ったときと同じ形に帽子が曲がります。軽く弦溝は出来ますが、いわゆる弦枕はありません。銅型(手袋へ入れた樹脂インサート)の時と同じです。


親指先が鋭角なので、指を組んで握り込んだときに親指腹側と薬指の干渉が少なくて良いです。ポッテリした三河風帽子よりも自然に指組(三ッの取り懸け)ができる気がします。


巻藁で試射したところ三河風帽子よりも保ちで粘れます。それだけにうっかりすると馬手の肘が下がって軽い離れが出ません。馬手肘を水平に保って手首と肘の関節を縦に遣うように心掛ければスカッと離れます。馬手が強くなる分だけ弓手もガッシリと握ってないと釣り合いが取れない点には注意が必要です。




使いこなすのは難しそうですが、弦の力を受けると帽子がごく僅か撓る感じなので、カチカチの堅帽子よりも手袋というか素手に随分近い手応えがあります。
峯 茂康 | 2016/10/06 木 22:04 | comments (1)
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コメント
しかし、これの弦枕はどのように取り付けたのですか。指先の折り目の位置で、45度方向に筋が付いています。
この懸けで引くとき、親指は45度の下向きとなるので、弦は親指に斜めに力がかかります。このため、馬手の手首は下向きとなり、離れが難しいのではないかと思います。弦枕の位置を下げて、角度を直角に調整すれば、使い易くなるように思います。ただし、これは私の好みですが。