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日本武道全集

日本武道全集
▲日本武道全集

古武術を学ぶの稿で「近代になっても小笠原流では教授されたことを文章にして公開することはありませんでした」と書きましたが「そんなことはないよ」と兄弟子が書籍を紹介してくれました。

それは「日本武道全集」で、全7巻のうち第3巻が弓術・馬術編です。これは7巻まとめて発刊されたのではなく、1巻ずつ順次配本され、第3巻は昭和41年 7月30日発行となっています。絶版ですが大きな図書館には置いてあるようですし、古書としては比較的入手しやすいのではないかと思います。

しかし、大抵は7巻揃いで10万円以上するようなので悩むところです。私は最初の古書店では分売をお願いして断られましたが、別の店で第3巻だけを見つけて運良く購入することが出来ました。1万2千円でした。前述のように、そもそも7巻セットで発刊されたわけではないので、根気よく探せば1冊ずつでも見つかるのでしょう。

本の内容は、歩射弓術(小笠原流・日置流各派)、騎射弓術(小笠原流・武田流)、馬術(小笠原流・大坪流・八条流)の流派毎の道統(系統)解説と伝書の一部です。伝書の部分は原文のままで解説等は無いので、読解するにはそれなりの知識が必要でしょう。

小笠原流に関しては先代宗家(弓馬術礼法小笠原教場30世宗家小笠原清信)が執筆されています。小笠原流の道統、射礼記(抄)、射方全書(上の巻)が50ページほどにわたって書かれています。射礼記(抄)は様々な儀式の概要、射方全書は射術の詳細です。

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