home >  弓道四方山話 > 巻の拾弐 「文の巻」

12-10 克つための弓道

全日本選手権に3回優勝した村川さんの本です。

この本は弓に人生を懸けた男の本であり、24本の射詰めに象徴されるように、まさに的に克ち、己に克つとあるように力強い信念の書です。

村川さんは弓道一家の子供として育ち、小笠原流の窪田真太郎範士(弓道教本4巻)の弟子として弓一筋の人生を送ってこられたことが書かれています。

就職も結婚も弓を続けるためと言い切り、毎日100射づつ練習したと言うのは常人にできることではないと思います。そして中るのは当然であり、中っている射を捨てて射形を改造し、理想を追求する所には凄いものを感じます。

全日本選手権で3回優勝しているのは、愛知の本田さん、奈良の吉本さんと村川さんの3人であり、まさに日本を代表する名選手でしょう。

追記:愛知の本田さんは平成16年に5回目の日本選手権優勝を達成し、範士になられました。

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