home >  弓道四方山話 > 巻の拾弐 「文の巻」

12-1 日本の文化について

和服を着てみると、夏は暑いし、冬は寒いし、運動には適さないし、なんと不便なものを日本人は着ていたのかなと思うとき、ふと日本人は素材の良さを高度に追求する民族だなと思いました。

着物は体形に合わせて作るものではなく、着る側が合わせるようにできています。着物は原則的には切断しないで縫っているので、子供服に作り直したり、布団や座布団にしたり、風呂敷やオムツにすることも出来るのです。こんなに多様性のあるものはありません。素材を大切にし、少し不便でも、なるべく加工しないように工夫しているからです。食べ物ではお刺身、お蕎麦、そうめん、玉子ご飯なども素材の良さを味わうのが日本食です。

和弓も洋弓と比べると武器としての合理性よりも素材の出来栄えを重視しているように思えます。

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