1-16 胴造りの大日の曲尺は座禅の心

2003/04/03 木 00:00
櫻井 孝



肩の力を抜き背筋を伸ばして気を丹田に静め、眼は半眼にして自分を後から眺めるように悠然と構えるような気持ちです。

また、この胴造りの形は「袴腰の曲尺」とも云い、袴の腰板がピタッと腰にあたるイメージです。これは背中を丸めた俯き加減ではいけません。また棒立ちでふらふらしているのもいけません。後に反り返って引くのも、逆に前に伏せて引くのもいけません。

このとき、「袴腰の曲尺」は体の背面のことで、体の前では腹と胸を弓の中に割り込んでゆく感じが必要です。弓に体を割り込ませるのは、「引き分けの体重移動」として以前に書きました。

大三では体の重心を足の裏の中心のやや後めに置き、引き分けではこの袴の腰板に中るのを意識しつつ、体重を僅かに前に送って体を弓の中に割り込ませるようにする。このとき、胸で割り込むのではなく丹田で割り込むように、むしろ臍と胸の間の距離を伸ばすようにすると、体重は土踏まずからやや前にかかりますが、この段階ではまだ前に行き過ぎないように注意します。

そして離れの瞬間に、丹田と胸をぽんと軽く前に体重移動(つま先体重)させるように離します。こうすると胸弦を割って開く離れのイメージが出来ます。

このような胴作りであれば、離れでのけぞったり、腕が前に離れる緩み離れは出ることなく、ただ伸びて緩まざる、穏やかな離れが出せると思います。

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