1-15 円相の構えは幼子を抱くように

2003/04/03 木 00:00
櫻井 孝


伝書では大切な預かりものを、抱えるように大切に扱い、返すべき時には躊躇なく速やかに返すように喩えています。同じような表現として、「重いものを抱えるように」とか、「大木を抱くように」と言われていますが、私はこの「幼子を抱くように」のほうがしっくりとします。

円相の構えと言っても、どの程度円いのか、肘を張るのか、丁度良い形と言うのが判りにくいものです。しかし子育ての経験のあるものならば、幼い子を抱く時の大切に抱えた感じはおのずから判るものです。

この方法であれば、手首に力が入ってしがんだり、手繰ったり、捻り過ぎることなく、肘も突っ張りすぎたり、垂れたり、平付けでもなく、両肩に力みなく、しかし、決して取り落とすことなく自然な形が判るはずです。

これは会における妻手の肘の形も同じであり、「抱え惜しむ気持ちあるべし」とも言います。

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