4-4 押手の手の内

2001/09/03 月 00:00
櫻井 孝



5)中押し

中押しの手の内はこの上下左右の癖の無い、理想の押してです。しかし初心者には、むしろ上押し気味、控え気味が良いと思います。ポイントは大三での手の内のロックにあります。大三で横から見る時には手首が折れて握りが直角であるのに、上から見る時は手首は真っ直ぐで、弓と弦のつくる平面にたいして角度(10度位)を持って3本の指を握り込むのがよいでしょう。日置流、竹林流などの斜面ではこれを弓構えで行います。


2.中押しについて

押手に五品があり、中押しがちょうど良く、上押し、下押し、入れすぎ入り不足ともに不適であると指導書に書かれています。

しかし、もともと日本の弓は下が短く上が長いので、上下は対称ではありません。弓は引き絞った時、下がつよくなり、弓は握りの位置で少し前傾し、下から上に突き上げる力を受けます。このとき、弓に対して水平に力を作用させたのでは、弓が下から突き上げる力が勝り、下弓が早く返り、釣り合わなくなり、離れで弓が暴れます。

従って押手は約10度位上押しとするのがちょうど良く、これを中押しと言い、水平に真っ直ぐ押すのは下押しの部類に入ると思います。浦上先生や稲垣先生の本には、「紅葉重ね」、「角見の働き」のことが詳しく書かれています。手の内をきちっと作って小指を逃がさないようにすれば、上押し過ぎの手の内は作ることが出来ません。手や顔を払う場合には、むしろ上押しを効かして角見を働かすことを考える方がよいと思います。

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