3-2 二足の足踏みについて
2001/09/03 月 00:00
櫻井 孝
目中(めあて)に用ゆる「墨指しの曲尺」(すみさしのかね)と云う規矩があります。めあてに用いるとは正しく的中させるためにと云う意味であり、足踏みは先ず左足の親指のつま先を的の方向に出して踏みます。この時的の中心から左足のつま先を通る直線を大工さんが用いる墨糸を引くように目で引いて、その線上に右足のつま先をしっかりと踏みなさいということです。曲尺(かね)というのも大工さんの曲尺のようにスクエアーにしなさいと云うことです。
また「蜘蛛の曲尺」と云う口伝は、蜘蛛が目標に向かって真っ直ぐに糸を出すのを墨糸と同様にたとえたものです。
「闇夜の鐘」というのは全く目に見えない闇夜でも鐘の音などを聞いて正確な目中で足踏みを行うならば、的が見えなくても的中するように練習しなさいということです。これらは本多流のホームページに出ています。
このように竹林派の二足の足踏みは目でしっかりと確認することが基本です。
現代では全ての流派ともスクエアーな足踏みですが、古流では左足は的に向かって真っ直ぐにですし、右足はこれに直角にする丁の字形の足踏みも本に書かれています。これは「つくばいの射法」の場合の足踏みと良く似ていますが、足踏みが非対称になりますので、胴がゆがみ、三重十文字が出来なくなるので否定されたものと云えます。
ゴルフでは体の回転移動を伴うためにオープン、クローズなど様様なスタンスがありますが、弓道では体の縦軸の歪みを極度に嫌うためにスクエアーを基本にしているものと思われます。
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