2-7 和弓では自分で狙いが判らない

2001/09/03 月 00:00
櫻井 孝



洋弓のように矢尺を短くして直接照準する射法と、和弓のように両肩が水平になるところまで十文字に引く射法を比較すれば、単に当たりだけを目的にすれば、和弓は合理的ではありません。しかし、古代から長弓を使用していたことは日本人が東夷と呼ばれ、「東方の大きい弓をもつ人」の意味と聞ききました。長弓は十文字の射法の必然であり、古代から合理性よりも、形の美しさを追求する民族性があったのでしょうか。

狙いは両目で的を見たとき弓が2重にぼやっと映ります。この時左側の像が右目で見た像で、その左側の籐で的を半割とするのが狙いであると教えられます。なぜ右目なのか、なぜ籐の左側なのか、と疑問に思うことはありませんか。

矢の延長線と目線がずれている為、直接は見えません。矢に近い右目が主体になりますが、弓を見るのでなく的に焦点を合わせてください。このとき顔の大きさ、頬骨の出っ張り具合により若干変わりますが、私の場合右目と頬付けの矢の中心の間は約35mmです。的から右目までの距離と的から弓までの距離を比例で低減させると約33mm程度となり、ちょうど偶然に弓の幅に一致し、左側となるのです。

また、物見(面の向け方)によっても偏芯距離が変化するので、かなりちがってきます。物見をしっかり向けると的が左へ離れてきますので、それを合わせると矢は後ろへ飛びます。前に矢が出る人は特に物見をしっかり向けるのが良いでしょう。

さらに、物見を上に向けると矢は上に飛びます。遠的練習の後は注意しましょう。

また口割が下がると矢は上に飛びます。矢を通常より下に番えるときも、矢は上に飛びます。これらはいずれも反対にすると反対の作用になります。初心者の方は自分で試して納得されるのが良いでしょう。

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