2019/04/01 月 12:30
櫻井 孝
2)初心のうちは、一本の指を眼前に立てて茫然と見れば、誤って二本に見えることがある。
3)視術の修行は、右目を正として、左目は従として見れば、両眼で見ても一筋となり、一本が一本に見えるようになる。
4)しかし、一本に見えても、まだ目眩(くらむ)ことがあれば、解決ではない。
5)さらに修行し、心を静かに定めて、自然に視ることができれば、自然に眼は定まり、目眩まずに明白に快然(はっきり)と見えるようになる。
的術の第二節は目術であり、目瞬きをしないように、目の使い方を論ずる。
1)両目にて一つの的を見るには、正澄にして(真っ直ぐに目を見張る)、心気を静かに治め、眼精を穏やかにするとき、目瞬きしないで行えるようになる。
2)初心のうちは、矢を発すれば目瞬を生じるものである。そのため矢は虚しく空を切り、的に的中しない。
3)それは心が虚しく、目を奪われて空虚となるためである。如何にすればこれを治すことができるかを考えてみよう。
4)これには、空弓(矢を番えず弦を放す)を発しても、目瞬きしないように意を強く置いて、心も目も奪われないように、正しく素直に、自信もって修練するのが良い。
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