[2] 4-5 吾加(五箇)の手の内

Comments


佐野良仁
2012/12/02 21:29
 コメントありがとうございます。本場で引かれている方のコメントは、やはり、本では読み切れない部分があって、嬉しいです。
 そう、そうなのです。僕もこれが疑問でした。わざわざ、初勘の巻に鵜の首と鸞中、父母の巻に三毒と骨法陸と呼立たり と分けて解説している。これが疑問でした。どうしてわざわざわけるのか。
 初勘の巻が、どうも初学者の基本の部分の解説で、射を構成する大原則の基本を書いてあり、父母の巻に至っては、なかなか難解な部分が多く出てきますので、僕のその時の解釈では、初心者の内から三毒と骨法陸と呼立たりを教えると、難しすぎて混乱するから、基本軸がしっかり出来上がってから、それらを教えていく、という風に分けたのかな、と思っていました。
 しかし、手の内の中にも、
土体黄色中四角
水体黒色北円形
木体青色東団形
火体赤色南三角
金体白色西半月
 の五輪砕が出てきて、これは父母の巻まで読み進めないとわからないですね。びっくりしながら引き込まれるように読ませていただいております。
 お察しの通り、僕は尾州竹林流とはちがいます。何流、というわけでない、弓道教本にのっとった正面打ち起こしの引き方です。ただ、射法訓の理解をしようとして行き当ったのが、やはり、『尾州竹林流 四巻の書講義録』と、松井巌先生の書かれた論文です。
 まさに尾州竹林流で引かれる櫻井先生が羨ましいです。段位は関係なく、教えていただける方は皆、“先生”です。またいろいろと教えてください。ありがたく存じます。
櫻井孝
2012/12/02 12:00
私の先輩(尾州竹林)に佐野良和さんという方がいますが、名前が似ていますが、親戚ではありませんよね。

この答えは魚住先生か宇佐美先生しかお答えできないと思いますが、順番に考えるのは非常に有意義な解釈と思います。
伝書には五箇の手の内を並列的に解説していて、どれが良いとは書いていません。「時の手の内」ということは場合によって、あるいは人によって使い分けよということですが、実際には難しい。

私は長い間三毒を信奉した結果、しがむ手の内が習慣となり失敗しました。強く握るのは押手を絞め殺すので、よくありません。
むしろ、これらは味わいであり、調味料のようなものであるので、貴方のような解釈でイメージできれば、最高ですね。

余談ですが、四巻の書には五箇の手の内といいながら、初勘の巻には鵜の首と鸞中の二つしか解説されていません。あとの三つは第四巻の父母の巻に解説しています。
私の勝手な想像ですが、竹林坊が書いた原本(一遍の射)を2代目の竹林貞次が四巻構成にして四巻の書としたとき、初心者にはこの二つを教え、練達者に残りの三つを教えたのではないかと思われます。

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