2-9 高さの狙い

2001/09/03 月 00:00
櫻井 孝



1.弓を握る位置を一定にすること。


 これは射法以前の問題で、握る位置がいい加減では正しい射は得られません。

2.矢の番える位置を一定にすること。


 昔の口伝に筈を上下すると矢が上下するとあります。弦に直角が標準であり、弓に直角までの範囲。

3.物見が一定であること。


 物見(首筋)はいつも一定で鉛直に向いているのが望ましい。顎が緩んで首筋が狂うと、高さの狙いも相当大きく狂ってしまいます。この首筋が矢どころに大きな変化を与えるのは、わざと首を傾けて試してみれば直ぐに判ります。また、途中で締め直すのが癖になると首筋の角度が真っ直ぐかどうか判らなくなります。

 したがって、首筋は力みをぬいて伸びやかに顎を軽く引き締めて、絶えず鉛直に保つように心がけることが肝心です。

 大三で押手を見たりして、顎が上を向くと矢は上に飛びます。途中で顎を閉めると矢は下に落ちます。

4.頬付け(口割)を一定にすること。


 頬付けは矢飛びの高さに極めて敏感ですので、いつも一定になるように、練習しなければなりません。

 口割が高いと矢は下に落ち、低いと上に跳びます。これを勢いが良かったと勘違いしないで下さい。

 また口割よりも下がると、緩み離れとなったり、離れが出なくなりやすいので、常に口割より低くならないように注意する必要があります。これは張りを保つとも云います。

5.矢束が一定であること。

 引き過ぎず、引き足りなさ過ぎず、いつも丁度良い矢束だけ引き納めること。

6.離れが一定していること。


 いつも一定の大きさの、四箇所の大離れが良い。

7.狙いの高さが一定していること。

 矢摺り籐を透かして一定の位置にあわせます。矢摺り籐に印を付けるのは違反ですが、いつも同じ位置に来るように記憶し、弦道で覚えること。

すなわち目をつぶって引き分けても、会に入ったら正確に狙いが付いているようになりたいものです。

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