1-29 射法訓全文の解説

2019/01/23 水 18:00
櫻井 孝


五行陰陽道はインドの仏教思想と古代中国の天文暦が融合して、平安時代の安倍清明の占星術、あるいはフィギュアスケートの羽生結弦選手が呪文を唱えるアレです。

・陰陽道では天地、日月、生死の二極について、弓の本末、父母、押手勝手の剛弱、烏兎に喩え、その和合、釣合が重要であることを教え、精神は大日如来のように、ゆったりと円やかに自信に満ちた射を目指す。

・五行道では、天体、自然界、人間の所作まで含む全ての森羅万象にたいして、その成り立ちと生死の輪廻について、仏教的原理を教え悟るものである。これは、天文の五惑星(土、水、木、火、金星)、物質の五体(土、水、木、火、金)、五方位は中を加え(中、北、東、南、西)、五原色(黄、黒、青、赤、白)、五形は五輪の塔の形(四角、円、団、三角、半月)に分解して相克と輪廻転生を説明している。

・五輪砕きはこれらを組み合わせて、土体黄色中四角、水体黒色北円形、木体青色東団形、火体赤色南三角、金体白色西半月、の五段階となる。

3)弓道の修行の段階(位)


竹林流の修行の段階(位)は、受、知、修学、自師、賢覚の五段階があり、四巻の書に内伝の「灌頂の巻」を加えた「五巻の書」の印可によって授かります。

・「受」は入門して第一巻を頂く初心者であり、指導を無批判で受ける段階、初段程度。

・「知」は第二巻を頂き、教えを聞いて覚え知る段階、三段程度。

・「修学」は第三巻を頂き、弓道書などを勉強して修行する段階、五段程度。

・「自師」は第四巻を頂き、自ら師となって教える、称号者に相当。

・「賢覚」は五巻全てを頂いた免許皆伝の流派の後継者であり、範士に相当。

したがって、「金体白色西半月」の位とは、この最高位の「賢覚」の段階を云います。

4)射法八節、射法五身(味)、輪廻転生、中国射五法の対応


ここで、現代の射法八節、射法五身、仏教の輪廻転生、中国射法の五法を並べて対応させると以下のようになります。

射法八節射法五身仏教輪廻中国射法(五法)足踏、胴造、弓構目当て過去身審法(審はねらいを云う)打ち起し、引分け引き取り 彀法(やごろと云う)会会現在身均法(均等に和合する)離れ離れ 軽法(軽妙に離れる)残心(身)見込み未来身注法(省みて再び生れる)

5)五輪砕きと射法五身(味)



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