手袋考9「節抜き諸ガケ 三河風」
2016/10/06 木 22:04
峯 茂康
image[三河風節抜木帽子2]
image[三河風節抜木帽子3]
image[三河風節抜木帽子4]
image[三河風節抜木帽子5]
image[三河風節抜木帽子6]
二の腰は鹿革一枚なので柔らかいです。左はごく一般的な形に削った節抜き帽子です。今回の帽子はかなり短いことが分かります。
image[節抜き諸ガケ 三河風1]
image[節抜き諸ガケ 三河風2]
image[節抜き諸ガケ 三河風3]
ボッテリと鈍角なので大きな帽子に見えますが全長は短いです。弦枕の位置はほぼ折り目(親指第一関節)にあります。
image[節抜き諸ガケ 三河風4]
巻藁で試射したところ、短い帽子でかつ弦枕がかなり指先よりにあるので、人差し指と中指はガッチリ握っていないと弦を保てませんが、ギュッと強く握りしめた途端に離れが出ます。使い込んでボロボロの巻藁ということもありますが、いつもなら貫通したりしない(比較的まだ藁がしっかり詰まっている)部分を狙っても矢がブスリと抜けてしまいます。弦音は普段と違う重い音がします。
いわゆる平付けになる帽子の角度と弦枕の付け方で、しかも帽子の中で親指先は曲がっています。それを二指でギュッと強く握りしめるのですから、現代弓道のセオリーと真逆です。
帽子先の丸みのアールが大きすぎるのか、人差し指と中指の乗せどころがボンヤリして落ち着きません。そこで帽子の革を解いて削り直し、少し大げさに角張らせてみました。帽子全体が2ミリほど短くなったので弦枕も指の根の方へ少し移動したのですが、弦に引っ張られると少し帽子から指が抜け出てくる分を考慮して弦枕の移動量は3ミリにしました。
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